異世界おじさんが熱すぎる

今更? 今更だよ! こんなもん刺さるに決まってんだろ!

 

1994年か95年頃だったと思う。11歳とかそのくらいの歳の私は輝いた目でおもちゃ屋さんのチラシを眺めていたのを今でも覚えている。始まっていたのだ、スーパーファミコンの次を巡る大戦争が。その本命はセガサターンで、3DOPC-FXもしのぎを削り、まだプレイステーションの勝利を確信する者は少なく、王者の任天堂ニンテンドー64の開発が難航していたはずだ。

 

その頃の私にとって39800円は大金だった。(今でも大金なのが少し悲しいところだが)

子供にとって負けハードを買ってしまうことはとても怖いことだ。自分の買ったゲーム機に大作ソフトが出るかどうかは一大事だった。私は96年のクリスマスプレゼントに親に頼んでプレイステーションを買ってもらった。一緒に買ったソフトはアークザラッド2だったと思う。勝利の天秤がプレイステーションに傾きかけていたのだ。事実、その後ファイナルファンタジー7バイオハザード2などのメガヒット作品により、プレイステーションは現在に至るまでの確固たるブランドを築くことになった。

 

しかしである、40歳もそう遠くない未来になった2023年の今、アマゾンプライムビデオで異世界おじさんを第4話まで視聴した私は過去の自分を大いに悔いている。

自分はどうしてあんな周りの雰囲気を伺った判断しか取れなかったのか。結果がどうなろうと私はセガサターンを買うべきではなかったのだろうか。SEGAを、SEGAを信じるべきではなかったのだろうか。

 

中学の2年生の頃、不登校をキメていた私は19900円に値下げされたドリームキャストを買った。湯川専務のCMが結構好きだった。けれども私はセガサターンを見殺しにしたのだ。ソウルキャリバーバイオハザードコードベロニカはとても面白かった。ソニックアドベンチャーは3D酔いするので休み休み進めてクリアした。あとカプコンパワーストーンとかも好きだった。だが結局これらは下らない言い訳だ。

 

異世界おじさんが眩しすぎる。おじさんはカッコいいのだ、見た目がキモいとかそんなことはどうでもいい。あそこでセガサターンを買っていれば自分もこんなに真っ直ぐでいられたのだろうか。

 

今更PS5を売り飛ばしてXBOX SXを買えば少しでもおじさんに近づけるのだろうか、そうじゃないはずだ。でもきっとおじさんは優しいので一緒にバーチャロンオラタンやろうぜとか言ってくれそうだ。