何もできなかった

来年の4月に平成が終わる。

私は昭和生まれだ。昭和59年。後期であるけれど、確かに昭和であった。今年の末には34歳になる。

平成も30年という結構な一時代になった。

でもその間を生きてきた私は、何もできなかった。周りの人に助けられながら、なんとかかんとか生きてきただけだった。大したことは何もしていない。他人に誇って感心されるようなことなど、何もなかった。何者にもなれなかった。

こんなはずではなかった。高校生ぐらいまでの私は、大人になれば自分は一廉の人間になれるという根拠のない、そう今思えば全く根拠なんてないけれど、そういう確信を持っていたんだ。

だが今現実を見てみろ、このざまだ。私は世間に誇れるものなんて何も残していないし、自分自身だってなんとか人のおこぼれで生きているにすぎない。

こんなはずではなかったのに、こんなはずでは。一時代の終わりというものが、ひどくつらい。