困った患者だと思われそうな気がする

 

もう思われてるかもしれないけど。

私は性同一性障害という診断をもらって、その世界では国内有数のジェンダークリニックに一応通院している。

ジェンダークリニックというのは現在まだ精神科に属する部分が大きいんだけど、他の精神科よりも社会参加への圧力が強いような気がしている。
まあジェンダーというのが日本語では社会の中での性別ということで、そういうことになるのは仕方ないのかもしれないけれど、私には結構きつい。私はもともと結構な社会不適合者で、ジェンダーやらの問題を置いておいても社会参加できてない側の人間なのだ。そういう人間が就労などの社会参加の圧力をかけられるのはなかなかしんどい。

まず第一に私はすごく仕事ができないタイプの人間で、ここ半年ほどの多少の日雇い労働でそれをとことん思い知らされた。私自身は仕事ができることに自分のアイデンティティは求めてないつもりなんだけど、それでも仕事ができない人間にとって労働の場というのは居心地がいいものではない。働いてる最中にこんなに無能なら帰ってから首を吊ろうかと思ったこともある。

ジェンダークリニックのMDsへの顔を立てるためだけに労働に挑戦したわけではない。性別移行というものはお金がかかる。通院費、ホルモン注射、脱毛、化粧品、望みの性別の衣類、単発で一番大きいのはやはり性別適合手術の費用。タイで行うとしても現在の相場で200万円ぐらいは見ておかないといけない。お金がかかるのだ。この点稼ぎがない人間には厳しいことは容易にご想像いただけるだろう。

ふと思う、思ってしまう。自分で経済力をつけられない人間にとって性別移行というのは贅沢品なのだろうか。おそらく贅沢品なのだろう。では贅沢品であるべきなのだろうか? お金のない人間は生まれ落ちた時の性別に縛られたまま生きなければいけないのだろうか? きっとそうなのだろう。少なくとも今は。
To Femaleとして通しているがもともとNon Binary的な部分も強い私としてはこう思ってしまう。

「なんでこの世界には性別なんてあるんだろう。そんなものなかったらもっとみんな自由に生きられるのに」と。