統合失調症いち当事者が思うこと フィクションの描写とか

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『ルックバック』という漫画が一部で話題らしい。
漫画自体も高評価を受けているらしいんだけど、同時に作中で統合失調症と思しき人が幻聴を聞いて大きな事件を起こしてしまうという部分があってその描き方の是非とかも話題になっているみたい。
漫画自体より統合失調症って実際どうなの? ってことについて当事者としてちょっとだけ言いたいことを書いておこうかと思う。

 

前提なんだけど、私は21か2の頃今も通院を続けている精神病院にかかってもう14年ぐらい統合失調症の患者として治療を受けている。入院回数はたぶん3回ぐらい、そのうち一度は閉鎖病棟に3ヶ月。

 

でも私はその期間一度も幻聴幻覚の類がない。全く無い。

 

一度「ん、何か聞こえた?」ってことがあって地元主治医に「幻聴でしょうか」と訪ねたら「あなたの場合は錯聴とかでしょう」と言われた。

 

ステレオタイプ統合失調症の印象を持ってる人は「え、それ統合失調症なの? 詐病や誤診じゃないの?」と言うかもしれない。
正直私も今でも病識がない。何なら精神科医であるジェンクリの主治医の先生とセカンドオピニオンの先生には「君って統合失調症なの?」って聞かれた、いやあなた方のほうが専門家ですよね!?
けれど私の地元の主治医(ジェンクリの方の主治医がいるのでこの書き方)は統合失調症の診察経験がかなり豊富で私の診断を統合失調症にほぼ確定させている。
素人ながら本やネットで調べるとおそらく私は「破瓜型」といわれるタイプのようで、このタイプは幻聴幻覚が少ないらしい。ていうかその名前どやねん。
心当たりが1つあって、私は13ぐらいの中1の頃? におかしくもないのに笑いが止まらなくなるという症状でかなり困っていた。「映画『ジョーカー』のアーサーじゃん」って言われるかもしれない、たぶんあの映画はそれも意識して作ってるんだと思うけど。
そういうおかしい言動みたいなのはあるみたいだけど、繰り返すけど幻聴幻覚は本当にない(と思ってる)。

 

閉鎖病棟に三ヶ月とかいたのでその間に「今この人何か見えないはずのものが見えてたり聞こえてたりするのかな」ということは何度かあった。だからそういうタイプの人がいるのは理解している。
何が言いたいのかわからなくなってきたけど、結局、幻聴幻覚が起こる原因として「統合失調症」の病名が一番手っ取り早いだけなのかなあと思ったり。若くして不治の病の設定だと白血病のことが多いみたいに。
たぶん私も統合失調症患者の一人としてそういう思い込みから生まれるスティグマがちょっと気になったんだろうか、実際にはガチ統合失調症じゃなくても脳内物質のバランスが崩れがちな人だと何かが聞こえたり見えたりすることってたまにあるみたいなんだけど。

 

歯切れの悪いエントリになったけど、こういう統合失調症当事者もいるよーって程度の話として読んで頂ければ幸い。