プレイヤーを降りることができない人もいる。中年の危機について

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はてなブログ界隈で結構人気のお二人のエントリを並べてみました。で、ブクマとかで「結局は子育てしてるかどうかの差なんじゃないの。中年になったら自分はサポート役に回ってもいいのでは」(自分なりに要約)というような意見が見られたのですが、それができない人についてちょっと書いてみようと思います。

 

まず第一に、私は現状、物理的に(医学的に? 生物的に?)子供を設けることができません。それは、女性ホルモン投与によって自分の身体に付き纏う男性性をできる限り否定した結果であり、そのことについて何ら後悔はありませんが、確かな事実です。また、自分の価値観として「ここは自分の生まれるべき世界でなかったし、これ以上できるだけこの世界に人間を増やすべきじゃない」という反出生主義的、グノーシス主義的思想を持っているので自分の子供が欲しいとも思いません。

 

だから、自分が人生のメインプレイヤーを降りて、誰かのサポートに回るという機会がおそらく回ってきにくいと思うのです。

 

また、まだ自分で成果を上げてないから納得して降りることができないというのもあります。シロクマ先生は本名は伏せておられますが、どうやらちゃんと精神科医として自らのお仕事を務めてこられたようですし、phaさんはだるいだるい言いつつ自分はニートのだめ人間だと言いつつ様々なグループの運営を行ったり本を何冊も出版したりしておられます。

そういう方ならまだしも、私は「まだ何もしていない」という思いが強くあります。

 

そういう理由で、私はプレイヤーを降りることが非常に難しいと感じています。

 

ですが、私自身は、しんどくなってきた感じはなくはないのですが、それほどそういう面において心の闇みたいなものは持ってないつもりです。

その理由は、科学技術の進歩なんじゃないかと思っています。私はレイ・カーツワイルの言葉をそのまま信じているわけではありませんが、技術的特異点が訪れるのも悪くないと思っていますし、科学や医学による人間の能力のさらなる拡張、進化の可能性を捨てていません。少しだけ具体的に言うとHaloシリーズの人類のように。

私自身は自然科学の輩とは言いにくいので、まだまだ夢物語なのかもしれません。ですが、どうせみっともなく老いて朽ちていくだけだとして、楽天的に希望を持ったまま生きるのもそんなに悪くないと思うのです。