疲れたときは灰羽連盟を見る

「綺麗な羽根だよ、白くも黒くもない、綺麗な灰色」

別に理想郷って訳では決してないけれど、こんな世界で暮らしてみたい。そう私に思わせてくれるのが灰羽連盟という作品に出てくるオールドホームという場所だ。

主要登場人物は全員女の子だけれど、最近のやたらかわいいキャラデザの女の子ばかりが出てくるアニメのようなあざとさはない。むしろ、よく見ていくと気づくと思うが彼女らの多くは一見屈託のない振る舞いしていつつもその存在にどこか陰を感じる。街や灰羽という一風変わった設定もそうだ。他人の使ったお古しか使うことを許されず、街から出ることを許されない灰羽、彼女ら(男の子もいるが)の羽根の色が灰色であることが無垢な存在ではないこと。もう少し言ってしまえば罪の証であることを示している。だけどそれが私にとってはむしろ彼女たちの魅力なのだ。それは彼女らの弱さだ。私はそういう類の人の弱さが好きなのだ。あるいはそれは今よりも更に脆かった彼女らと同じ年頃の私自身の姿をそこに重ねているのかもしれない。

もしかしたらそうなっていたかもしれない自分、そこにいたかもしれない自分を想って、私は時々DVDドライブに灰羽連盟のディスクを入れるのかもしれない。